SAZ向けゲーミングイヤホン(IEM)おすすめ|VCT出場選手の使用機材で選ぶ
※本記事はアフィリエイト広告(Amazonアソシエイト等)を含みます。掲載順はVCT Pacific 2026 Stage1出場選手の使用機材集計に基づいており、広告主から報酬を受け取ることで順位を変えることはしていません。集計の出典と限界は本文に明記しています。
イヤホンでFPSは邪道だという空気が長くあった。俺が原作の『サドンアタック』を撃ち始めた2007年頃は特にそうで、足音を追うなら大きいヘッドセット一択だった。今は完全に逆になっている。VALORANTの国際大会のステージを見れば、選手は全員イヤホンを着けている。SAZ(SUDDEN ATTACK ZERO POINT)は2026年7月30日14時にSteamで早期アクセスが始まった同じ爆破解除系のタクティカルFPSで、条件はほぼ同じだ。
プロは実際に何のイヤホンを使っているのか?
VCT Pacific 2026 Stage1、全12チーム約60名の内訳がこうなっている。
| 製品 | 使用者数 | 種別 |
|---|---|---|
| SHURE SE846 | 11人 | IEM |
| SHURE SE215 SPE | 9人 | IEM |
| SHURE SE215 | 6人 | IEM |
| Razer BlackShark V2 Pro | 9人 | ヘッドセット |
| HyperX Cloud II | 8人 | ヘッドセット |
| HyperX Cloud III | 8人 | ヘッドセット |
| AZLA AZEL Edition G Gen 2 | 2人 | IEM |
| 水月雨 KATO / Razer Moray / Sennheiser IE 300 ほか | 各1人 | IEM |
| 未確認 | 5人 | ― |
出典:fps-earphone.jp「VCT Pacific 2026 Stage1 使用イヤホン」2026年7月1日公開。約60名を対象とした第三者集計。
SHUREだけで26人。IEMを使っている選手の大半が1ブランドに寄っている。SE846とSE215は価格帯が10倍近く違うのに、どちらも上位にいるのが面白いところだ。

なぜプロは、イヤホンとヘッドセットを同時に着けているのか?
上の表を見て「ヘッドセットとIEMが混ざっているじゃないか」と思ったなら、それが正解だ。VCTのステージでは、選手はIEMとヘッドセットを二重に着けている。これは公式のルールとして運用されている。
役割が完全に分かれている。耳の中のIEMがゲーム音とチームのボイスチャットを鳴らし、その上から被せたヘッドセットはホワイトノイズを流している。観客の歓声と実況を遮断するためで、ヘッドセットは音を聞くための道具ではなく、耳栓として機能している。
つまりステージ上の集計に出てくるヘッドセットの数字は「そのヘッドセットで足音を聞いている」という意味ではない。ここを読み違えると、機材選びを丸ごと間違える。
そしてこの構成は自宅では再現する必要がない。自室に観客の歓声は無いからだ。プロがIEMを選んでいる理由のうち、会場ノイズ対策の部分は自分には効かない。効くのは残りの部分——遮音と、装着の再現性と、蒸れない点だ。そこだけを取ればいい。
SAZの爆破解除でヘッドセットとイヤホン、どっちが有利?
音の広がりで判断する場面はヘッドセット、静けさと再現性はIEMが勝つ。足音が聞こえるかは音量ではなく背景騒音との差、SN比で決まる。IEMは耳の穴を塞ぐのでエアコンや生活音をまとめて削れる。音量を上げずに差だけが開く。夏の自室ではこれが一番効く。
一方、方向の判断は左右の到達時間差と音量差だけでは足りない。人間は耳たぶ(耳介)が音に付ける癖を手がかりに前後と上下を分けている。IEMは耳介を飛び越えて耳道へ直接鳴らすので、左右と距離は取れても前後・上下の弁別が甘くなりやすい。頭内定位だ。爆破解除は「上の階か下か」を音で決める競技だから、ここは大きいハウジングの土俵だ。
だから推奨は乗り換えではなく併用だ。本番はヘッドセット、長時間の連戦はIEM。耳が痛くて集中が切れる時間を無くす方が、細かい音質差より順位に効く。

眼鏡と夏場の蒸れなら、なぜイヤホンが勝つ?
眼鏡をかけたままヘッドセットを被ると、テンプル(つる)がイヤーパッドに挟まって密閉が崩れる。崩れると低い音から抜け、足音の「近さ」が実際より遠く聞こえる。厄介なのは崩れ方が毎回違うことで、日によって距離の基準がブレる。競技で怖いのはそっちだ。
IEMは眼鏡と干渉しない。密閉が耳道の中で完結するから昨日と今日で同じ基準が使えるし、蒸れも汗も側圧の痛みも消える。2時間を超えるカスタムの後半、耳の痛みで集中が落ちて撃ち負ける選手を何人も見てきた。あれは実力ではなく環境の問題だ。
ただし条件がある。イヤーピースのサイズを自分の耳に合わせることが最大の設定作業で、サボったIEMは遮音も低音も失ってヘッドセット以下になる。付属のS/M/Lは全部試す。
VCTで最も使われているIEMはどれか?
4基のバランスドアーマチュアを帯域ごとに割り当てた構成で、低域を専用ドライバーに任せている。1基のドライバーで全域を鳴らす方式と違って、足音のような低い音を出しているときに中高域の情報が痩せない。爆破解除では足音と銃声とアビリティ音が同時に鳴るので、この分離が効く。ノズル交換で高域の量を3段階に振れるのも、自室の環境に合わせ込める点で実用的だ。
こんな人向け: 音で状況を組み立てる人/すでにIEMを使っていて上限を上げたい人
10万円のSE846と同じリーグの同じステージで、SE215系が合計15人使っている。ここが重要で、IEMは価格と使用率が比例していない。耳道の奥まで入れて外音を物理的に落とす形状と、ケーブルを耳の上に回すシュア掛けが前提の設計で、タッチノイズも装着のズレも起きにくい。競技で効くのは音質の上限ではなく、昨日と同じ音が今日も出ることだ。それを1万5千円以下で確保できる。
こんな人向け: 最初のIEM/眼鏡をかけていて夏に長時間やる人
SE215の低域を強めに振った派生。足音の重さは掴みやすくなるが、低音の裏で細かい擦れ音がマスクされることもある。素のSE215とどちらが上という話ではなく、自室の生活音がどれくらいあるかで向き不向きが変わる。ちなみに2026年8月時点ではSPEのほうが素のSE215より1千円ほど安いので、価格で選ぶ理由は無い。エアコンや外の車の音が入る部屋なら、低域が厚いほうが足音を拾いやすい。
こんな人向け: 生活音が入る部屋で遊ぶ人
いま決めきれないなら、候補をカートに入れておくだけでもいい。Amazonはカートに入れた商品の情報が一定期間保持されるので、値動きを見てから決められる。イヤホンは値幅が大きい商材なので、これは実際に効く。
| 項目 | SE846 第2世代 | SE215 | SE215 SPE |
|---|---|---|---|
| VCT Pacific 2026 | 11人・単一モデル最多 | 6人 | 9人 |
| 価格の目安 | 約10万円 | 約1万4千8百円 | 約1万3千8百円 |
| ドライバー | 4BA・帯域分割 | ダイナミック1基 | ダイナミック1基 |
| 遮音の深さ | 深い | 深い | 深い |
| 音の傾向 | 分離重視 | 素直 | 低域強め |
| ケーブル交換 | できる(MMCX) | できる(MMCX) | できる(MMCX) |
価格は2026年8月6日にAmazonで実測した値。使用者数はfps-earphone.jpのVCT Pacific 2026 Stage1集計(約60名)による。
イヤホンにするとマイクとDACはどうなる?
マイクは別に用意する。IEM側は非搭載か、付いていても口元から遠い。爆破解除は情報戦だから、聞く側だけ整えるのは片手落ちだ。
DACやアンプは最初は要らない。1万円台のIEMならPC直挿しで十分鳴るし、定位が劇的に変わる箱でもない。音量やノイズで困ってから足せばいい。SE846クラスまで上げると話は変わるが、それは10万円のイヤホンを買った後に考えることだ。先に詰めるべきはゲーム側で、そこは音声設定のガイドと足音の聞き分けガイドにまとめてある。
逆にIEMを買わなくていいのはどんな人?
今のヘッドセットで足音に不満が無いなら、買わなくていい。機材の買い替えで勝率が動くのは、環境が判断を邪魔している場合だけだ。
耳に異物が入る感覚が苦手な人も向かない。密閉を作れないIEMは遮音も低音も失う。上下の弁別が要るランクマ中心なら、まずヘッドセット側を詰めた方が近道だ。
ヘッドセット側には、IEMより桁違いに大きい母数の集計がある。prosettings.netのVALORANTプロ679人集計ではRazer BlackShark V3 Proが158人・23.27%で1位、BlackShark V2 Proが134人・19.73%で2位、HyperX Cloud IIが79人・11.63%で3位(2026年8月時点)。約60名のスナップショットしかないIEMより、こちらのほうが判断材料としては強い。それが不安なら、素直にヘッドセットでいい。
イヤホンかヘッドセットかは、値段ではなく耳と生活の条件で決まる。眼鏡をかける、夏に長時間やる、生活音が入る——この三つに当てはまるならIEMは十分戦える。VCTの選手が二重に着けている理由のうち、自宅で効くのは遮音と装着の再現性だけだ。そこを取りに行くなら1万5千円以下のSE215で足りるし、音を判断材料の中心に据えるならSE846まで行く価値がある。どこから整えるか迷ったらデバイスおすすめまとめから辿ってほしい。




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