SAZのグレネードは弱くなった?|投げ物の役割を作り直す
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早期アクセスが始まったサドンアタック ゼロポイント(SUDDEN ATTACK ZERO POINT/SAZ)で、「グレネードが弱い」という声が出ている。先に結論を書く。公開されている投稿と爆破ルールの原理から言えば、今のSAZでグレネードをキル取りの道具として数える組み立ては分が悪い。原作のように投げ込んで人数有利を作る使い方は噛み合わなくなっているという指摘が目立ち、相手の足を止める・位置をずらす・こっちを見させるための牽制と誘導の道具として割り切ったほうが、噛み合う場面は多いはずだ。
前提の確認から。2026年7月30日(木)14時にSteamで始まったのは早期アクセス(アーリーアクセス)であって、正式リリースではない。基本プレイ無料で、バランス調整が続く前提の状態だ。この記事は開始直後の公開情報と公式の一次資料をもとに整理したもので、筆者は原作勢だが早期アクセス版そのものは未プレイであることを先に明記しておく。
SAZのグレネードは本当に弱くなったのか?
公式が「グレネードを弱くした」と数値付きで発表した事実はない。そこは未確認だ。ただ、早期アクセスを実際に遊んでいるプレイヤーの投稿では、弱さを指摘する声をよく見かける。@vivi_lily165 は7月30日に「SRよりAR強い グレ弱い カスタムつけないと壁抜き1発で死なない ストッピング判定辛い」と書いている。@Kisama1gou は7月31日に「グレが強く無くなっちゃったから、どうやって自爆特攻するか悩みどころ」と投稿していて、これは原作を長く遊んだ人ほど刺さる嘆きだと思う。
7月31日に公開された公式「開発者ノート #13」でも、ディレクターのキム・テヒョン名義で武器バランスについて「早期アクセス以降に蓄積された実際のプレイデータをもとに性能を細かく分析中」「継続的に調整していく」と述べられている。ただしそこで名指しされているのは特定の銃器への偏りの話で、投擲物の火力についての言及はない。つまり現時点の投げ物の効き方は「仕様」として受け止め、こちらの組み立てを変えるのが現実的だ。

原作の「グレ投げ込みで人数有利」はなぜ通用しなくなった?
投げ込みだけでは人数を削り切れない、と感じるプレイヤーが出ているからだ。順を追って書く。
原作のサドンアタックには、狭い通路や部屋にグレを放り込んで人数を削り、その勢いで押し込むという文化があった。俺も2007年のサービス開始から遊んでいた口だから、あの「投げてから走る」テンポが体に染みついている。籠もっている側を無理やり引き剥がす手段として、グレは実質的な攻撃ボタンだった。
それが機能したのは、投げ込みでキルまたは瀕死まで持っていけるという前提があったからだ。半端なダメージしか入らないなら、投げた側は位置と時間とグレを差し出しただけで終わる。守っている側は音を聞いて一歩下がり、体力が減った状態で撃ち合いを受ければいい。「グレ弱い」と言われている状況は、この損得が逆転したことを意味する。
さらに、原理としてどのFPSでも投げる動作の間は撃ち合いに参加できない。効かない投擲のために無防備な時間を差し出すのが一番もったいない。2019年のサービス終了から時間が空いた人ほど手癖のまま投げてしまいやすいので、2019年以降にFPSの常識がどう変わったかを一度整理しておくと切り替えが早い。
キルを狙えないグレネードは何に使えばいい?
足止め・誘導・削りの三つだ。道具の価値は与ダメージだけでは決まらない。原理として、投げ物には「ダメージ」「情報」「空間の否定」という三つの仕事がある。ダメージが落ちたなら、残り二つで元を取ればいい。
ひとつ目は足止め。爆発に巻き込まれたくない以上、相手はその一瞬だけ前に出づらくなる。この一瞬を味方の入場や設置に使う。ふたつ目は誘導。奥に投げれば相手は手前に出てくるし、手前に投げれば奥へ下がる。相手を「自分たちが撃ちたい場所」へ押し出す道具として扱う。三つ目は削り。キルは取れなくても体力を削っておけば、その後の撃ち合いで先に当てた側が勝ち切る確率が上がる。
この考え方は、投げてから撃つ人間がセットになって初めて成立する。投げっぱなしは何も生まない。誰が投げて誰が抜けるかを決めるところから始めるなら、エントリー・サポートなどの役割分担と投げ物の基礎を先に押さえておきたい。

スモークとフラッシュのほうが強いって本当?
そう感じているプレイヤーはいる、というのが公開投稿から言えるところだ。@5_Dphontv は7月31日に「SR対応難しいけど、その分スモークとフラッシュが強くなってるから、爆破は戦略考えてするのは楽しくなるかも??」と書いている。@Akhack4747 の7月31日の「SAZはスモークとP90が強いだけで草」という投稿も、皮肉ではあるがスモークの効きを裏側から言い当てている。
理屈としては筋が通る。破片手榴弾の火力が物足りないと感じられる環境では、勝負を決めるのは視界と情報の操作になる。スモークは撃ち合いそのものを発生させずに通路を渡らせるし、フラッシュは覗いている側の反応を丸ごと奪う。どちらも相手の体力ではなく相手の判断を削る道具で、火力の増減の影響を受けにくい。
だから今のSAZで投げ物を語るなら、優先順位は視界系が先で破片手榴弾が後ろだ。設置後に守る側へ回る場面や、取り返しに行く場面ほど差が出る。サイトの取り返し方と爆弾解除モードのポジショニングを合わせて読むと、どこで煙を焚くべきかの判断が固まる。
投げ物やカスタムの強さは課金で決まる?
公式見解は明確にノーだ。開発者ノート #13 のPay to Winに関する項目では、パーツスキンのレアリティはスキンのレア度を表すもので、レアリティによる性能やステータスの差は存在しないと説明されている。付加オプションも戦闘結果を左右しない範囲で設計しており、熟練度クレートを通じてSPやキーカードを消費せずに同じオプションのパーツを獲得できるとも書かれている。パーツオプションのバランスはライブサービス中も継続してモニタリングし、問題があれば調整するという方針も示されている。
プレイヤー側からも同じ趣旨の指摘がある。@Usui_Haku は7月31日に「SAZ課金しないと強いカスタム組めないと思ってる人居るんですね…武器Lv見てないのかな」と投稿している。SAZの武器はログイン後に初期配布され、他の武器はアカウントレベルを上げるごとに順次開放される。そこから、武器を使うごとに上がる熟練度の報酬や武器クレートでパーツを集めてカスタマイズしていく作りだ。投げ物を含めた立ち回りの工夫は、課金額ではなく時間と理解で埋められる部分が大きい。仕組みの詳細はパーツとカスタマイズの解説と課金とPay to Winの論点にまとめてある。
自爆特攻したい人はどう遊べばいい?
目的を「キル」から「情報と時間」に置き換えるのが現実的だ。原作で「グレ持って突っ込む」を芸にしていた人には残念な話だが、投げ物でまとめて倒し切れない環境で同じことをやると、ただ死んで人数不利を作るだけになりやすい。
先に飛び込んで相手の人数と位置を吐き出させ、味方がその情報で勝つ。死に方に意味を持たせるなら、死ぬ前に必ず何を見たかを伝える。撃ち合いに勝たなくても、相手の弾と注意を吸い込んだ時点で仕事は終わっている。この割り切りができれば、投げ物の火力が物足りない環境でも突撃役の価値は残る。
もうひとつ、チームデスマッチのウェアハウスやサドン村なら、爆破のように一度の死がラウンドの結果を直接決めない。爆破で無理に特攻するより、そちらで暴れるほうが精神衛生上いい場面もある。早期アクセス時点のマップは、ランクマッチ/通常マッチの爆弾解除モードが第3補給倉庫・プロバンス・クロスポート・地下鉄・シティキャット(NEW)の5つ、チームデスマッチがウェアハウスとサドン村の2つで、合計7マップだ。

グレネードの効き方は今後の調整で変わる可能性はある?
変わる可能性はあるが、時期も方向も未発表だ。開発者ノート #13 で示されているのは、実際のプレイデータに基づいて武器性能を継続的に調整するという方針までで、投げ物の火力を戻すとも下げるとも書かれていない。同じノートでは、コンテンツ不足の指摘に対してヴァンパイアモードを含む多彩なマップや武器を継続的に追加することや、プレイヤーがルームを作りマップ・モード・人数を設定できるカスタムマッチシステムをシーズン2で導入できるよう準備を進めていることにも触れている。環境は動き続けると考えたほうがいい。
だとしても、今日勝つために必要なのは仕様が戻るのを待つことではない。原作の手癖をそのまま持ち込んで負けている人と、道具の役割を組み替えた人の差は、この早期アクセス期間に開いていく。原作との作り分けをどう見るかについては原作再現度の話も併せて読んでほしい。グレネードが思ったより効かないと感じるなら、それは腕の問題である前に設計の話だ。設計が変わったなら、こっちの使い方を変えるだけでいい。




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